入門版 第10章 損小利大か損大利小か?
FXでは大半の方がコツコツドカンで負けます。
小さく利益を積み上げ、収益プラスを続けていたにも関わらず、1回のトレードで損切りできずに強制ロスカットまで行ってしまう状況です。
ただ、もし逆にエントリーしていたら?莫大な利益になりますね。
その為、FXで勝つには損小利大が正しいと言われる事が多いです。
この損小利大にすれば勝てるという主張は、一方向に伸びる性質があるFXにおいて理に適っていると言えます。
しかし、テクニカル目線で言うと、トレード結果(勝率)はリスクリワード比率に応じて出ます。
相場は上下にランダムに動いていると仮定した上で、リスクリワード比率が1:1の場合、勝率は50%になります。
つまり、2回に1回は利確でき、2回に1回は損切りされます。
収益がトントンになるリスクリワード比率に応じた勝率を下記に記載します。
・リスクリワード比率が1の場合:50%
損小利大の時の勝率
・リスクリワード比率が2の場合の勝率:33.3%
・リスクリワード比率が3の場合の勝率:25%
損大利小の時の勝率
・リスクリワード比率が0.5の場合の勝率:66.7%
・リスクリワード比率が0.3の場合の勝率:76.9%
つまり、リスク1に対してその3倍の利益を見込む損小利大トレードの場合、4回トレードする内3回は損切りに合う事になります。
3回損切りなら良いですが、確率には偏りが発生する為、5回、6回と連続的に負ける事もあります。
強靭なメンタルの持ち主になら気にせずエントリーできるかもしれませんが、6回連続損切りにあった後、7回目に利益が出る保証もありません。
その状況で平常心でトレードできるでしょうか?
逆にリスクリワード比率が0.3の場合、4回に3回以上は利確ラインに先にタッチします。
つまり、3万円のリスクを取った場合、76.9%の確率で1万円の利益が出ます。
4回に1回の確率で3万円負けることもありますが、1回負けても次も76.9%の確率で勝つ事ができる為、エントリーするのが怖くなることは少ないと思います。
しかし、これも一長一短で、2回連続で負けてしまうと、それを取り返すのに6回連続勝たなくてはならないという事です。
あなたなら損小利大か損大利小のどちらが良いでしょうか?
私が推奨するリスクリワードは1以上から1.5程度です。
最初に述べた通りFXは定期的にどちらか片一方に継続して進む(トレンドが発生する)性質がある為、損大利小では取れるべき利益を逃しやすいからです。
またこれぐらいのリスクリワードだと勝率が50%だとしても利益が残り、精神的な負担も少ないです。
また、裁量トレードに於いてリスクリワード比率は固定するのもでは無く、状況に応じて変化するものなので、その点も覚えておいてください。
それよりも、FXでは優位性のあるポイントでのみエントリーし無駄なエントリーを避ける事や、一貫性のあるトレード(エントリー、利確、損切り)を行う事が何より重要です。